あかつき君のつぶやき

前回は馬運車で厩舎に連れてこられたトコロまで。

暗い中周りに耳をすませたら色んな仔がいた。

産まれたばっかりの仔、若い仔や競走馬じゃない仔。ボクから話掛けることはしない。

そして朝になった。


また飼い葉をもらったから食べていると・・・他の仔が外に出てる!!

それを見てボクは鳴いた。外に出たいって主張したんだ。

最近は主張することをやめていた。競馬場から移動した後入れられた場所は日も当たらなかった。引き運動も乗り運動もやらなくて最初はラッキーなんて思ったけど。それも何日かすると走りたくなってきた。ゴロンって寝たい。でもできない。また何日かたって諦めて毎日大量の飼い葉を食べていた(味はあんまり。まぁ好みかな)でも今は鳴き続けた。


そしたら一番最後に放してもらえた!

久々の空に久々の地面。そして青草だ!!

嬉しくて草をムシャムシャしてたら昨日馬運車に一緒に乗ってた人がまたカメラを向けていた。「走らないね」ってガッカリみたいに言われても困るな。ボクは人間の時間でいう一か月近くコンクリートの空間に閉じ込められていたし、昨日は馬運車に8時間くらい乗ってたんだ。身体がこわばっちゃってるよ。


もうちょっとボクの状況を察してヨ。

と近づいたら喜んでいた。うーん、伝わっていないな。

少ししてボクはコッソリ尻っぱねをしたんだ(コッソリだからカメラは追いつけなかった)

天にも届くつもりで後脚を蹴り上げたのに前脚がそれを支えられなかった。3回でやめた。

厩舎の陰から見ていた人は「オジサンみたい」って言ってた。

どーゆうこと!?


やりたいことは見てないところでしようと考え、草を食べ続けた。

なみあし会

常歩(なみあし)とはもっとも速度が遅い馬の歩法です。 なみあし会はその名の通り馬にゆっくり 歩いてもらいたいと考え設立されました。 人のため、人の夢を背負い頑張って走ってきた 競走馬たちに 「もう走らなくていいんだよ」 「ゆっくり一緒に歩こうよ」 と伝えのんびりできる場所を作るため 活動しています。 会のロゴは「一緒に歩こう」と声を掛けられ それに耳を傾ける馬をモチーフにしています。

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